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災い転じて福となす - リーマンショックとコロナ禍

お客様と共に(日本・海外)
Hong Kong空港

春になるとやはり桜です。 私も日本人ですねぇ。

粘コン先進国日本、コロナ禍のこの1年で腰を据えて(海外に行けないので)、
日本のお客様を訪問したりする事ができた。
去年だけでなく、今年も続いていますが。

緊急事態宣言等の外出抑制で日本国内での移動も、コロナ禍前に比べれば
相当制限されているとは言え、日本に腰を落ち着けてお客様と対することが出来る。

コロナ禍が無ければ、以前通り、予め日本へ出張スケジュール(大体2週間位)を
組み、その範囲内で日本の代理店さんとお客さんの会社へ訪問する。
コロナ禍前は、いつもこんな感じで日本出張を組んでいた。

このやり方であると、どうしても私の事情中心に組んだスケジュールであるので、
現在のコロナ禍のお客様への対応と比べると、量的にも質的にも雲泥の差がある。

もちろん、コロナ禍の現在が、量的にも質的にも大きくコロナ禍前の日本顧客向け
対応を凌駕しています。

当たり前と言えば、それまでだが。

ここで立ち止まって考えると。
㋐ もし、コロナ禍が無かったら (仮定)
もし、コロナ禍が発生していなかったら、昨年から現在に至るまで、
今まで通りの中国上海を基点に、年間日本には4回くらいの出張
(ただし、その内の1回は年末年始のお正月休みであるので、実質、日本には年3回)、
そしてその他のアジアの国々約13か国に、1年に1回の出張顧客訪問・展示会参加を
していただろう。

㋑ コロナ禍のこの1年 (現実)
全く日本から海外へ出張できず。
しかし、今まで着実に海外現地代理店教育・訓練を行ってきた成果が現れ、
海外の展示会がすべて中止、そして私も一切各国に営業に行けなかったのだが、
コロナ禍前の受注・売上と同じレベルを、このコロナ禍の1年でも達成できた。

見方によると、’’私の海外出張は無駄である’’ との根拠に引用されかねない内容。(笑)

日本に居る以上、”日本に腰を落ち着けて仕事をします” と、私は昨年の2月時点で
日本の代理店さんやこの業界関係会社の方々に宣言。
’’ 最低5月くらいまでは日本から出れないと思いますから、この2月から5月末までの
 4か月、いつでもどこでも行きます ’’

昨年の2月時点、今では懐かしい豪華客船ダイアモンドプリンセス号が、
横浜港に入港していた頃の私の発言。
あの時は、4か月くらいすればコロナも解決するだろうと、全く甘い読みだった。

結局、5月が、10月、年も変わり、そして現在に至っている次第。

でも、日本に居るお蔭で、多くの新たな日本のお客様と商談ができた。

私自身が、今までのキャリアから、そもそも海外のお客さんのベースが
強かったのに比べると、日本のお客様との関係性は海外のお客様と比べると
非常に小さかった。
このコロナ禍で、日本市場の良さ、お客様の現在の悩みも以前より
解るようになり、今後日本のお客様も弊社の中核的存在になると思います。

ということで、ひょっとしたら、私と日本市場を近づけてくれたのは
コロナ禍という見方もできる。

正確に言うと、コロナ禍による生活・移動の
制限が私と日本市場を近づけてくれた。

日本の新幹線はやはり流石。中国の高鉄(中国では新幹線の事を高鉄と呼ぶ)は、座席で乗客も電話し放題。煩く落ち着けません。 日本の新幹線に乗ると、ホッとします。

誤解をされてはいけないので、一言。    

別にコロナ禍に感謝して、コロナ禍は良いことだと言っている訳では決してありません。

私の強い希望は、一刻も早くこの世界的なCovid-19 パンデミックが収束すことです。

それで、話を戻しますと、

オペレーターの流動率が高い海外(平たく言えば、毎年工場の半分くらい
人が入れ替わっている)の印刷会社でも使えることを目指して開発した
Viscon粘度コントローラーが、じつは日本でも強く求められている事が
昨年1年間日本にコロナ禍で居て、日本のお客様を訪問して強く感じました。

災い転じて福となす。

前職の時もそうだった。 2008年のリーマンショック
2003年から海外販売を開始した私は、毎年着実に売り上げ増。
ところが、2008年のリーマンショック。
何が変わったか。 私の売上がリーマンショックで以前の半分以下。
2010年まで非常に苦しい環境下に。

その当時、リーマンショックによる急激な円高で、結果的に
多くの輸出メーカー、輸出商社は輸出をやめたところも多くあった。
何せ、1ドル115円~120円くらいの為替レートが、100円は簡単に割り、
最高円高は75円くらいまでに。

この為替レートの大幅な変更により、多くの輸出メーカーは、対策として
円高でも海外で販売できるような値下げ商品の発売で切り抜けようとした
会社が多かった。
その一方で、輸出マーケットから退場、企業自体廃業をするところも
多かった。

私は1985年の円高も商社勤務時代に経験していたが、あの当時は1ドル220円~230円が
一気に150円割れ。 当時、150円割れを唯一予測したアナリストして、名古屋の
東海銀行の水谷研二氏が一躍、時の人となったことを覚えている。
その後全国区的な活躍をされた。

リーマンショックの時は、1ドルが 120円であったものが 80円の為替レートに
変更に。

これは日本の物を日本で販売している人には、ピンとこないであろう。
何故なら、30万円の価格の機械を売っている人は、リーマンショックの前でも後でも
同じ価格は日本円で30万円だから、何も変わらない。

私の場合は、日本の物を海外に販売していたのだから大きく影響された。
                            価格
 30万円の品物  リーマンショック前 30万円/120 = USD 2,500

これがリーマンショックによる為替変動で(1ドルが120円から80円に)
                            価格
 30万円の品物  リーマンショック後 30万円/80=USD 3,750 

これは何を意味しているか? 粘度コントローラーを例に仮定の価格例で。

解りやすく言うと、今まで私は海外のお客に価格を 1台 USD2,500で
粘度コントローラーを販売していたものが、リーマンショックを境に、
前と全く同じ粘度コントローラーを海外のお客さんに、価格を
1台 USD3,750 ですと販売する事に変更。(価格だけ変更)

もっと解りやすく言うと、今までUSD2,500の価格で売っていたものを、
粘度コントローラーは全く同じで リーマンショック以降は 
価格をUSD3,750に値上げ。

USD2,500 から USD 3,750に価格の値上げ。
更に解りやすく言うと、 一気に50%の価格の値上げ。

商品が全く同じで、ある日突然50%価格を値上げして、
海外のお客さんはどう思うだろうか?
もちろん 答えは、 日本から買わないという事である。
逆から考えてみれば、すぐ解る。

今まで取引している会社から、ある日突然、価格を来月から
50%値上げしますと言われたら、皆さんどうしますか?

こんなことがリーマンショックでは起こっていたのです。

私もリーマンショックの時は、相当悩みました。
売上は激減。 かといって日本の多くの会社が取り組んでいるように
為替に合わせた低価格商品の開発を前職の会社に期待しても
無駄な状況でもあったし。

それで、私は必然的に、同じ商品でも、
為替レートが1ドルが 75円でも、
海外のお客さんが買ってもらえるような販売方法を徹底的に
考えたのでした。
商品の価値を如何に売ったらいいのだろうか? と。

その点を掘り下げた販売方法を、約2年間模索実行した結果、
2011年には効果も見え始め、2012年、2013年、2014年は
リーマンショック前の売上を超す売上のV字回復をしたのでした。

同じ商品で、50%価格を値上げしても、売り上げを以前より上げることが
できたと実感できたのは2014年でした。

そしてその時、私は思ったものでした。
もし、リーマンショックが無かったら、私の営業力は鍛えられなかった。
2008年から2011年にかけて行った思索・努力も私はしていなかっただろうなぁ。

リーマンショックがあったから、努力をして営業力も実力も鍛えられた。
リーマンショック 有難う。

災い転じて福となす、 とはこういうことなのだろうなぁ と。

そして、今の コロナ禍。

2-3年後には、リーマンショックの時と同じように
コロナ禍があったから、こういう事が出来たと言えるように
現実をしっかりと見据えて取り組んでいこう。

そのように思っている今日この頃です。

松下幸之助さんや京セラの稲盛和夫さんはじめ、多くの経営者が愛読書
としている本に、中村天風の本が有ります。

中村天風は言っています。 
          
’’ 常に絶対積極で前向きに ’’。 
 

後日加筆:3月27日
 今日たまたまノーベル賞受賞者で、ips研究所山中伸弥所長の近畿大学卒業式
 でのスピーチ(平成27年度近畿大学卒業式)をYouTubeで見た。
 ’’ 人間万事塞翁が馬 ”という故事を引用して、近大の卒業生に激励祝福の
 スピーチをされていた。
 山中所長はノーベル賞を受賞されて、今までの経歴(臨床医は失格の烙印
 をおされて研究者になった。)は既にテレビ等で当時報道されていたので
 有名な話なのだが。

 そういう経験をされた人が、人間万事塞翁が馬という故事を通して、
 目先の事に一喜一憂せず、しっかりと前を向いて人生を歩んで欲しいと
 スピーチで訴えられていた。
 さすが、山中所長が言うと、説得力が違う。

 実は私もこの リーマンショックとコロナ禍という記事で、
 山中所長がスピーチされた事に通じる事を自分自身に
 言いたかった訳なんだが……..

続 後日加筆 : 11月19日
 
【速報】大谷翔平 “満票”で最高栄誉のMVP獲得 イチローさん以来日本人2人目の快挙で今オフ8冠に(TBS系(JNN)) – Yahoo!ニュース

 メジャーリーグ エンゼルスの大谷翔平が記者30人全員の1位投票で満票で
 MVPに。
 詳しくは上のYahooニュースに譲るとして、今日のテレビ(テレビ朝日系列の
 羽鳥慎一のモーニングショーで、大谷翔平の愛読書が紹介されていた。
 
  富の福音          著:カーネギー、
  「成功への情熱」  著:稲盛和夫、
  「運命を拓く」     著:中村天風     

   ネット全盛時代で、読書離れ、本離れが言われて既に久しいこの現代で、
 20代でメジャーリーグでMVPを獲得するという偉業達成した若者、
 大谷翔平が高校生の頃から読書を心掛けていたとのこと。

 挙げられた愛読書を見て、驚き。
 私が稲盛和夫さんや、中村天風の本を読むようになったのは、
 確か40台の後半だったと記憶する。

 やはり何から何まで違う大谷翔平。
 それと、経営者、ビジネスマンからアスリートからも広く愛読されている
 中村天風。
 偉業の陰に良書あり。
 

 

 

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